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未来おばあちゃん|えうれか(五島)#14

五島で過ごす最後の夜。
晩ごはんを食べ終わると、じっちゃんは隣にある自分の家に帰って行った。早朝からの漁まで眠るらしい。AM2時くらいになると、この堂崎家に来て漁の支度を整え、海に繰り出すのだそう。今朝は確か8時くらいに帰ってきたから、明日の出発時間によっては、会えないかもしれないなぁ…

そんなことを考えていると、「お風呂わいてるよ~」と、ばっぱ。
(おばあちゃんからお風呂に入るように言われるのって、なんでこんなに郷愁が漂うんだ)

椿オイルのシャンプー(さすが!)で髪を洗ったりして、小ぶりな湯船に首までつかる。湯船にお湯があたるちゃぽん、という音を最後に静寂が訪れ、思わずゆっくりと目をとじた。

体の芯に温度が1mmずつじんわりと沁みこんでくるのを感じながら、五島での時間を振り返る。

雄大な自然、美しい教会、過酷な歴史、奥ゆかしくも活気ある島の人たち、ばっぱの声、看板犬のクー(もう私が堂崎家に出入りしても吠えない!)…島の力なのか、堂崎家の力なのか、旅の力なのか、心がぐーんと羽を伸ばしているのがわかる。

五島での思い出たくさんすぎる!

Re島PROJECT『東京女子旅』さん(@retochan.girl)が投稿した写真 -

居間へ戻ると、ばっぱがお茶をのんでいた。私の姿を見るなり、よいしょと立ち上がって、こちらの分までお茶を用意してくれる。ほっこりするのもつかの間。これは、人生の大先輩の話を聞くチャンス!いつも笑顔なばっぱの人生観をのぞいてみたい。もっとばっぱと話したい。よし。

「さっきじっちゃんに、すっとぼけって言われたよ~」と声をかけてみる。すると、

「そんくらいのがいいわよ~。なんも考えんと、楽しいよ~」

 

だって。…参りました。

ばっぱと!大事にしたい人が増えた感じがしてすごくうれしい。

ばっぱはどんな時が一番しあわせ?って聞いたら、

「子供や孫といっしょに働いたり、過ごせることが本当にしあわせ。今がいちばんしあわせよ」
「それに、先のことはわからんち。その日、その日よ」

それに、という言葉で付け加えたばっぱ。それは、彼女がこの質問に対して、先のこと=未来を視野にいれて答えていることを表していた。直感的に、すっごく尊敬した。そしてその気持ちは、私がつい未来を向くのを忘れてしまっていることも表していた。

家族と過ごす中で、ばっぱが大切にしていることってある?と聞いたら、

「言いたいことを言う。かくしごとをしない。干渉しない。
あとは、家族と一緒ならなんでもできるよ。苦労の数だけ慕ってもらえる」

ほ~。苦労の数だけ報われる、とはよく言うけど、慕ってもらえる、かあ…。ばっぱにとって、報われる=慕ってもらえるという感覚なのかもしれない。なんて素敵な人なんだろう。夢中でおしゃべりしていると、もう遅い時間であることに気づく。いけない!ばっぱも私ももう寝なくちゃ。ばっぱにお礼を言って寝室へ。でも、明日の朝はじっちゃんに会えないまま堂崎家を出るかもしれないから、じっちゃんが漁の支度に来るまで起きていることにしよう。ちゃんとお礼を言わなくちゃね。どろん。

(つづく)