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地元ライターが思う福岡〜離島のギャップ<新上五島町編>博多港からひと眠り。目覚めるとそこは「祈りの島」

シンガポール経由でバリ島へ出掛ける海外旅行ように、日本の人気都市・福岡市から直行できる「福岡経由離島行き」を楽しめる国内の人気離島5島(壱岐・対馬・上五島・五島・屋久島)の地元ライターが、それぞれの島の魅力を伝えるRe島プロジェクト2018。あなたも福岡の魅力、離島の魅力がまるごと楽しめる旅へ出かけてみませんか?

初回は「福岡市と離島のギャップ」をテーマに、各島のライター陣が島の魅力をお届け。今年、世界文化遺産に登録されたことでも知られる五島列島は新上五島町在住ライター・竹内さんによる福岡〜新上五島のギャップとは?

実は快適。フェリーにゆられる五島列島への旅

「島旅」

この言葉の響きに、特別な何かを感じる人は多いと思います。

非日常、大自然、個性あふれる文化……などをイメージする一方で「島はとても遠いところ」と感じている人も少なくないかもしれません。

ですが、実は九州を代表する大都市・福岡から、びゅーんと直行できる島がいろいろあるんです。

「壱岐?」「対馬?」

確かに、博多湾の先に浮かぶ壱岐や対馬は福岡に近く知名度もある島なので、なじみ深いかもしれません。でも、博多湾からの直行便は壱岐や対馬だけではありません。

博多港から船に乗り込み、九州本土の海沿いを、福岡から西にぐるーっとまわって行く島にも直行便が出ています。

それが、五島列島。僕が移住した長崎県・新上五島町も五島列島の島です。

はじめまして。

新上五島町でフリーライターをしている竹内章といいます。

島に移住したのは4年前のこと。それまでは新聞記者をしていました。

結婚を機に、新しい生き方を求め40歳で会社を退職。地域が元気になる活動をお手伝いする「地域おこし協力隊」として妻と共に島へ渡り、任期満了となった今春「離島在住のライター」として独立しました。

中通島を中心とする7つの有人島と60の無人島で構成される新上五島町は、福岡・博多港から「フェリー太古」(野母商船)で約6時間。

 

「遠い!」「長い!」という声も聞こえてきそうですが、そうでもないんです。

実はこの船、午前零時ごろに出港します。体感的に「船に乗り、寝て起きれば、もう新上五島町」。時間を感じさせません。

しかもこのフェリー、とってもキレイで清潔。ワイワイと大勢で雑魚寝するスペースもありますが、カプセルホテルのようなベッドエリアや、数人で寝られる小部屋もあり、女子の評判も上々。

「移動も旅の醍醐味」と考えれば、あわただしい都会を離れ、ゆったりと時間をかけながら滑るように海上を進むフェリーの旅は、優雅で贅沢な気分にもなれます。

世界文化遺産にも登録された「祈りの島」

新上五島町の、今年最大のニュースといえば世界遺産登録が決まったこと。

この町にある「頭ケ島の集落」をはじめ長崎、熊本両県にまたがる12の構成資産でつくる「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が今夏、世界文化遺産となり、島は大いに沸きました。

この世界遺産は、キリスト教が禁じられていた時代も信仰を守り続けた「潜伏キリシタン」の歴史を今に伝えるものですが、新上五島町には、今もカトリックの人が大勢住んでいます。

その割合、実に4人に1人。

人口約19,000人のうち、25%がカトリックという計算。麻雀をすれば1人はカトリック、ということになります。
 

島の歴史は、カトリックとは切っても切れません。

18世紀末、禁教による監視の目を逃れるため、本土から大勢のキリシタンが安住の地を求め五島列島に渡りました。現在、島で暮らしているカトリックのご先祖様です。

新上五島町には、日常的に使われている教会が29もあります。

これらは結婚式用に作られたチャペルではありません。週末には、いつものようにミサが開かれます。

教会のある風景が「日常」なんです。

福岡観光をたっぷり楽しんだ後に足を伸ばせる、もう一歩先

島らしい個性である美しい自然や新鮮な魚介も、もちろん魅力的。

ですが、新上五島町を訪れた際には、この島の大きな個性であるカトリックが深く根ざした暮らしや文化を、ぜひ知ってほしいと思います。

教会を見て回ったり禁教の歴史を学ぶなど、カトリック文化に触れることをおススメします。

もう一度言いますが、フェリー太古が出航するのは午前零時ごろ。

福岡観光をたっぷり楽しんだ後、船に乗ることもできますし、福岡在住の人であれば金曜日、仕事が終わった後に、ふと思い立って出発することもできますよね。

朝目覚めると、待っているのは「祈りの島」とも呼ばれる新上五島町。

異国情緒あふれる「非日常」が、そこにあります。

いちど船に乗ってみませんか?

 

【ライタープロフィール】

竹内章(たけうち・あきら)1974年生まれ、富山県出身。フリーライター。国の経営相談所「長崎県よろず支援拠点」コーディネーター。元新聞記者。2015年「地域おこし協力隊」として新上五島町に移住。2018年、ライターとして独立。