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対馬のぶらり散歩では「石」を見よ?!島の歴史が刻まれた玄人向けフォトジェニックスポット

人気都市・福岡を訪れる人も、福岡に暮らす人も意外と知らないのが、「福岡は離島も近い」こと。福岡を楽しむみなさんにお届けしたい、福岡から近い離島の魅力を、島に暮らす地元ライターが紹介します。

(取材・文 対馬ライター 佐々木達也)

玄人向け。対馬で楽しむ個性的な絶景スポット

離島のフォトジェニックスポットとなれば透き通った海! と言たいところですが、私が暮らすここ対馬でおすすめしたいのは「石」と「岩」。

ここでは、飛行機なら福岡市内からわずか35分で到着する離島・対馬で見られる少し個性的なフォトジェニックスポットを紹介します。

対馬は、大部分が対州層群(対州は対馬の別称)と呼ばれる地質で構成されています。これは、約3000万年前に海底に降り積もった砂や石、貝殻などが積み重なったものが盛り上がりできたもので、島のいたるところでミルフィーユのような崖を見ることができます。

対馬の北西部にある上県町女連(かみあがたまちなつら)地区の海岸には、なんと積み重なった層が「縦」になってしまった岩があります。

対馬海峡の激しい波や風に耐えながらそびえ立つその姿からは、自然の偉大さ感じることができます。

対馬の岩の魅力は、これだけではありません。

対馬には島のあちらこちらに、玄武岩や石英斑岩など火山やマグマの影響によってできた岩があります。前回の記事(地元ライターが思う福岡〜離島のギャップ<対馬編> 福岡市内からたった35分で韓国の街並みが見える「山の島」へ)でも紹介した白嶽(しらたけ)の登山道にも、巨大な岩が角のように出現するスポットがあります。

対馬南部に向かうと、これまでとは違う岩に出会うことができます。

厳原町(いづはらまち)内山地区では花崗岩(かこうがん)の1枚岩の上に川が流れており、一帯が「鮎もどし自然公園」として整備されていて、夏は清流で泳ぐこともでき、天然のウォータースライダーを楽しむことができます。

対馬の石に刻まれる悠久の歴史

いたるところに様々な岩や石があるだけに、島に住む人たちは暮らしの中でも岩や石を使ってきました。

たとえば「石垣」。対馬にはたくさんの「石垣」がありますが、ここにも対馬の石が使われています。

対馬は大陸からの玄関口にある「国境の島」のため、島内には諸外国との交易や戦いの歴史が刻まれている場所も多くあります。

そのひとつ、西暦663年、飛鳥時代に起こった白村江(はくそんこう)の戦いに敗れた倭国が、防衛にために築いた山城が、美津島(みつしま)町にある金田城です。

浅茅湾(あそうわん)の奥にある金田城は、海の向こうの朝鮮半島を見据えることができる場所。かつてこの場所で、防人たちが築いたお城は、ところどころ復元されていますが、日本に残る古代山城の中でも、当時の様子が最も残っている場所と言われています。

時は移り、戦国時代に入ると、豊臣秀吉が朝鮮出兵のため、対馬に出城を築かせます。

清水山城跡は、現在は対馬市役所など、対馬の中心機能が集まる厳原町中心部を見下ろすことができる清水山の尾根伝いに造られた城で、現在でも当時のままの石垣を見ることができます。

天気の良い日なら壱岐や九州本土まで展望できる清水山城跡。海を渡った船団を迎えられるように建てられたことがわかりますね。

そして清水山を下り、厳原町を散策しても石垣、石垣、石垣。城下町だった名残が随所にある石垣に表れているんです。

対州層群のミルフィーユ状の石を使って作られた武家屋敷の石垣は、「鏡積み」と呼ばれる積み方で作られています。

大きな鏡のような石を配置し、その周りを小さいな石で囲む積み方は難しく、莫大な費用がかかったことから、交易によって富を得ていた対馬藩の姿を今に伝えるものとなっています。

そんなところにも「石」?!

もうひとつ、対馬の「石」を使った建造物で忘れてはいけないのが、対馬で見られる独特の倉庫です。

今も現役で使われている高床式の倉庫は、なんと屋根が「石」。

時代の移り変わりとともに数が減り、屋根の部分が瓦やトタンに変わった建物もありますが、高床式の建物に石の屋根を乗せた倉庫は、現在でも米や芋などの保管に使われています。

もちろん、対馬には「美しい海」「美しい山々」などのフォトジェニックスポットはありますが、「石」と「岩」という(少々玄人向けの)のフォトジェニックスポットも面白いと思います。

対馬の自然の美しさや時の流れを静かに物語ってくれる「石」や「岩」。あなたも対馬で、ブラりと眺めてみませんか?