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ほとんど島外に出ない対馬唯一の日本酒「白嶽」造りの裏側と「酒粕詰め放題」が大人気の蔵開き

人気都市・福岡を訪れる人も、福岡に暮らす人も意外と知らないのが「福岡市は離島も近い」こと。福岡を楽しむみなさんにお届けしたい、福岡市内から直行できる離島の魅力を、島に暮らす地元ライターが紹介します。

(取材・文 対馬ライター 佐々木達也)

8割が島内で消費される対馬唯一の日本酒

対馬の冬は、北西の冷たい季節風が大陸から吹き、雪の多い地域とは違った寒さになります。そんな寒い時期に造られるのが、日本酒です。

今回は、対馬で唯一、清酒と呼ばれる日本酒を造る酒蔵と対馬産の日本酒を紹介します。

対馬唯一の日本酒を造る河内酒造

対馬空港にほど近い、美津島(みつしま)町の中心部にある「河内酒造」は、創業大正8年!もうすぐ100年を迎える老舗の造り酒屋。麦と米でつくられる焼酎「やまねこ」や、清酒「白嶽」などの銘柄を造っています。

対馬唯一の日本酒「白嶽(しらたけ)」は、美津島町にある山の名前で、古くから霊峰として対馬の人たちが大切にしている場所。美津島で造られる日本酒もまた、対馬の人たちから愛され、大切にされてきました。

河内酒造では、寒さが厳しくなる12月に入ると新酒の仕込みがスタートします。仕込み作業にお邪魔させていただきました。

日本酒「白嶽」が生まれる現場をレポート

朝8時、原料となる大量のお米が蒸しあがり、蔵の中は蒸気とお米の甘い香りが立ち込めます。

職人さんが、蒸した米をスコップを使って取り出します。

適度に冷やされた米は、いくつかの工程に振り分けられます。

麹室(こうじむろ)では、蒸された米に麹をつけて麹米を作ります。

麹室の温度は35度程度で作業する職人さんは半袖姿。麹をつけた米は麹菌の繁殖に合わせ、攪拌するなどの作業を行い3日ほどで麹米になります。

始めて見る酒造りの様子に、夢中に写真を撮っていると「麹米を食べてごらん!」と代表の伊藤さんに勧められ、麹米を口に入れると栗のような甘味が口の中に広がりました。

伊藤さんも子どものころ、この甘さに惹かれよく食べていたそうで「この味になったら出来上がり」と話してくれました。

できあがった麹米は、水と米とともにタンクに移されます。

日本酒造りではここに酵母を加えて「酒母(しゅぼ)」を作り、酵母を増やします。

そして水と米、麹米を2回加えて「醪(もろみ)」を作り、微生物の力を借りて、少しずつお酒ができていきます。

仕込みから数週間をかけ、ゆっくりと発酵してできたお酒はろ過されて、私たちが目にする日本酒が生まれます。

気になる今シーズンの出来栄えを伺ったところ「スッキリとした甘口で後味が心地よい良い酒ができている」と話してくれました。

早速、私もこのシーズンにしか出ることのない「しぼりたて生酒」を持ち帰り、味見してみると.......。

スッキリとした後味が、なんとも言えず。味見、味見と繰り返していたら、すぐに空っぽになってしまいました(笑)。

銘柄当てクイズに酒粕詰め放題コーナーが人気の「酒蔵開き」

対馬唯一の日本酒は、ほぼ8割が対馬で消費され、島外にはほとんど出ることのない幻のお酒。そんな知られざる離島の美酒を、3月に行われる酒蔵開きでは、存分に楽しむことができます!

酒蔵開きでは、米や製法が違う数種類の「白嶽」や、河内酒造が作る焼酎などの銘柄あてクイズなどの催しも行われ、「100円で酒粕詰め放題」のコーナーは大人気。ほろ酔いの幸せそうな顔があちらこちらで見られます。

2019年は3月10日に予定。対馬の海産物なども販売されるので、3月に向けて、対馬への旅を計画してはいかがでしょうか?