地元カメラマンも足繁く通う屋久島の絶景をご案内。春夏秋冬、季節別のフォトジェニックスポット
人気都市・福岡を訪れる人も、福岡に暮らす人も意外と知らないのが「福岡市は離島も近い」こと。福岡を楽しむみなさんにお届けしたい、福岡市内から直行できる離島の魅力を、島に暮らす地元ライターが紹介します。
(取材・文 屋久島ライター 菊池淑廣)
屋久島は、数多のカメラマンを魅了する絶景の宝庫!
屋久島は、海・山・川の三拍子そろった、言わずと知れた自然豊かな島。しかも、そのすべてが世界トップクラスという、まさしく世界自然遺産の島です。それゆえ数多(あまた)のカメラマンを魅了する被写体の宝庫でもあります。
僕もカメラマンの端くれですが、そんな屋久島のフォトジェニック・スポットを季節別に、地元視点で紹介しましょう。
春は新緑と山桜が彩る、太鼓岩からの絶景をねらう
屋久島の春は何といっても、新緑と山桜が美しい彩りを見せる、白谷雲水峡の太鼓岩からの絶景をねらうのがおすすめです(過去記事「鮮やかな緑に包まれる4月の屋久島は地元ガイドがすすめる屋久島のベスト・オブ・ベストシーズン!」をご参考ください)。
見頃は4月上旬ですが、ベストなタイミングに合わせるのはなかなか難しいです。
年によって開花状況が変わることはもちろんですが、「そろそろピークだぞ!」といった情報を得て撮影の計画を立てるも、翌日には強風や強雨で花が散ってしまった、などということもよくあります。
旅行者はもちろん地元の島民であっても、こればっかりは運を天に任せるしかありません。
とはいえこの時期の白谷雲水峡は、歩くだけでも気分がいいですし、季節によらずフォトジェニックなスポットがたくさんあり、「バックアッププラン」はいくらでもありますから、ぜひこの時期にトライしてみてはいかがでしょうか。
夏は「いなか浜」エリアでコバルトブルーの海と空を切り取る
屋久島は山のイメージが強いですが、南の島ならではの美しい海も魅力です。写真に撮って画になるのは、島の北西部に位置する永田の「いなか浜」周辺がおすすめ。
いなか浜は、屋久島随一といえる白砂の美しいビーチですが、個人的に好きなのは、いなか浜の北側に広がる「四ツ瀬」と呼ばれる海岸。白い砂浜だけでなく岩礁もあるため、コバルトブルーの海の色が際立つポイントで、道路沿いからの眺めもキレイです。
また、いなか浜から少し西へ走った西部林道入口には、屋久島灯台があります。海から立ち上がった花崗岩の断崖上に立つ灯台ですが、周辺の海岸地形が特徴的で、紺碧の空に浮かぶ夏の白い雲との相性もバッチリ。
どこまでも真っ青な空間をどう切り取るか、あとは撮影者次第です。
秋は清冽な沢と紅葉の競演!秋の淀川(よどごう)を収める
屋久島は、年間の平均気温が約20℃の亜熱帯の島。
冬も青々とした常緑樹の森がベースですが、山の上は気温が下がるため、落葉樹も交じるようになり、秋はささやかながら紅葉も楽しめます。
九州最高峰・宮之浦岳(1936m)への入口、「淀川登山口」から小一時間ほど歩いたところに、ゆったりと流れる「淀川(よどごう)」があります。
急流の多い屋久島においては珍しく流れが緩やかで、水がそこに流れているとは思えないほどの、どこまでも澄み透った水を湛えています。
標高1400メートルほどに位置するこの一帯は落葉樹も多く、特に川のほとりに立つ「コハウチワカエデ」の紅葉は、息を呑む美しさ。10月下旬から11月初旬がねらい目です。
まるでガラスのような、滑らかで清冽な水面と、緑の中に赤が映えるコハウチワカエデの紅葉が織り成す風景は実に見事で、カメラマンはもちろん誰もがシャッターを切りたくなる絶景です。
冬は緑の苔と白い雪に包まれる、静寂の白谷雲水峡を撮る
冬のフォトジェニック・スポットとして紹介したいのは、積雪があっても比較的アプローチしやすい白谷雲水峡(過去記事「亜熱帯の島で雪景色?冬の屋久島だから楽しめるスノートレッキング&大自然に癒される絶景温泉3選」をご参考ください)。
苔の緑と雪の白の不思議なコントラストが醸し出す、屋久島ならではの神秘的で静寂な風景がねらえます。
写真に収めるなら、雪が降り積もったばかりの森がキレイです。苔の表面をうっすらと雪が覆うくらいが画になります。自然が相手なので容易ではありませんが、やはりタイミングが重要になってきます。
ちなみに雪の状況次第では、山方面への道路が通行止めになってしまうこともあるため、そもそも登山口までアプローチできなくなります。里から登山道はつながっているので、「苔むす森」までの往復であれば日帰りは可能ですし、貸し切り状態で雪の森がねらえます。
しかし、麓から歩いて登る人は少ないうえ、積雪で登山道を見失いやすく、いざというときも携帯電話がほとんどつながりません。雪山に不慣れな人は決して無理をせず、ガイドを依頼するなどして単独行動は避けましょう。
梅雨限定!ド迫力の滝と天空のお花畑
5月も中旬に差し掛かると、屋久島はぼちぼち梅雨に入ります。一段と雨の多い時期を迎えますが、この時期にしか撮れない絶景もあります。
ひとつは水量が増える滝です。撮りやすいのは、観光名所にもなっている「千尋(せんぴろ)の滝」と「大川(おおこ)の滝」。
梅雨の時期は、よりいっそう迫力のある絶景写真が撮れます。
大川の滝は、大雨直後は増水で近づけないので注意が必要なのと、飛沫であっという間にずぶ濡れになるので、レインウェアを着用のうえ、カメラの防水対策もしっかり講じたうえで撮影に臨みましょう。
もうひとつは、5月下旬から6月初旬に開花する「ヤクシマシャクナゲ」。標高の高い山岳エリアに自生している屋久島固有の植物で、天空に広がるお花畑の風景が期待できます。
宮之浦岳まで登らなくても、登山ルートの途中にある「花之江河(はなのえごう)」周辺や、もう少し足を延ばして「投石平(なげしだいら)」などでもシャクナゲは十分ねらえます。
いずれもピークを踏むわけではないので、それほど大変な行程ではありませんが、登山経験に乏しい人はガイドを依頼するとよいでしょう。
また、特定のスポットでなくても、足元の小さな世界に着目すれば、雫を抱える苔たちのキラキラした美しい風景が、そっちこっちに広がっています。
屋久島は季節によらず、いつでもねらえるフォトジェニックな被写体がたくさんありますので、カメラを携えて、あるいはスマートフォンを片手に、屋久島を訪れていただけたら嬉しいです。
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