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五島列島のソウルフードを後世につなぐ赤&緑の女性。笑顔いっぱいの「かんころ餅」はいかが?

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近年、田舎暮らしの場として島を選ぶ人が増えています。一方、少子高齢化やライフスタイルの変化で消滅の危機にある伝統文化も。そんな人と文化が上五島で出会い、笑顔が咲いたお話。

新上五島町へのアクセス情報はこちらから >>

(取材・文 新上五島ライター 竹内章)

”はなやか”に伝統食を受け継いだ2人の物語

島旅の魅力は、「非日常」を感じさせる景色やグルメだけではありません。地域に根を張って暮らす人々との交流も、とっても味わい深いです。

子どものころからずっと島で暮らす人、都会に出たけれどUターンした人、移住者……。人の数だけ島で暮らす理由があり、人の数だけドラマがあります。

今回は、長崎県の離島・五島列島北部の新上五島町に移住し、島の伝統的な食文化を残そうと奮闘する女性Iターン者2人をご紹介します。

トレードマークは「赤」と「緑」

「あっ! マリオとルイージだ!」

その2人は、コンピューターゲームに登場する人気キャラクターになぞらえて、子どもたちにそう呼ばれることがあります。

トレードマークである赤と緑のツナギ姿が、その理由。

2018年春、新上五島町で、島の郷土菓子を製造・販売する事業所「花野果(はなやか)」を立ち上げた岡本幸代さん(36)と、竹内紗苗さん(35)です。

2人はいずれも移住者。ともに夫婦で島にやってきました。

花野果は、実は島のお母さんたちが運営していた事業所を引き継いだもの。正確には、2人は「二代目 花野果」です。

竹内さんは、役場に所属しながらまちおこし活動を担う「地域おこし協力隊」として島にやってきましたが、3年間の任期満了を控え島に残ることを決断。

どう生計を立てようかと悩んでいた矢先に、花野果のお母さんたちから「あとを継いでほしい」と持ちかけられました。お母さんたちは、年齢や家庭の事情で事業継続が難しい状況だったのです。

島の特産品を扱う事業自体に興味はありましたが、1人では心もとないのが本音。

そんなとき、移住者の先輩で農業などを手掛けていた岡本さんに事情を説明したところ意気投合。ほどなく、2人で引き継ぐことを決断しました。

黄色信号が灯る伝統食を後世に

花野果の主力商品は、島の特産品でもある「かんころ餅」。サツマイモともち米を主な原料とする島人のソウルフードで、昔は各家庭で、それぞれのレシピで作られていました。

ところが、近年は高齢化や食生活の変化、イノシシによるサツマイモへの食害も相まって、かんころ餅を作る家庭が激減しています。

2人が花野果の継承を決めた背景には、花野果のかんころ餅を楽しみにしているお客さんがいたことに加え、黄信号が点滅している島の貴重な食文化を、何とか後世に残したい、という思いがあったといいます。

「かんころ餅」ならぬ「かりころ餅」にも挑戦

2人は2019年夏、かんころ餅を薄くスライスし炒めてつくった新商品「かりころ餅」の販売に乗り出しました。

かんころもちを揚げたり焼いたりと試行錯誤を繰り返し、ようやく商品化にこぎ着けた一品。伝統を守りつつ目新しさもあり、好評を得ているようです。

挑戦を続ける2人は、こう話しています。

「かんころ餅を食べて笑顔になったり、家族のだんらんが生まれたり、そんな日常が続きますように」

2人が島に来た経緯や島での起業、普段の生活など、ここでは書き切れなかったことがたくさんあります。

「2人をもっとよく知りたい! 話をしてみたい!」という方は、ぜひ一度島に足を運んでみてはいかがでしょうか? 

花野果の「かんころ餅」や「かりころ餅」を食べてみたい方は上五島内のお土産店や、「花野果」公式ホームページ にてお買い求めください。