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上五島では当たり前。冬こそ食べたいご当地メニュー「地獄炊き」の味わいとその名の由来を紐解く

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五島列島・新上五島町では、地元のある名物を「地獄炊き」と呼ばれる方法で味わうのがポピュラー。「地獄炊き」とは一体どんなものか、地元ライターが紹介します。

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(取材・文 新上五島ライター 竹内章)

「地獄炊き」とは一体?

「地獄炊き」。

何やら恐ろしい響きのする言葉ですが、実は僕が暮らしている長崎県・五島列島にある新上五島町の、ある「特産品」の食べ方なんです。

いったい、どんな食べ方なのでしょう…。想像が膨らみますよね。


今回は、その特産品の歴史をひも解きつつ「地獄炊き」についてご紹介したいと思います。

うどんより細く、そうめんより太い

ぐつぐつと煮立ったお湯の中に、バラバラとその「麺」を投入し、待つこと数分。お鍋の中で、麺が円を描くようになめらかに踊りだしました。

ゆで上った姿を見ると、みなさんが「よく知っているうどん」にしてはちょっと細身で、「そうめん」にしては少し太め。

あまり見慣れない太さのその麺こそ、新上五島町特産の「五島手延うどん」です。

島では自宅で食べることが多い五島手延うどん

ほっそりとした姿が特徴の五島手延うどんですが、コシの強さとツルっとしたのど越しが魅力で、のど越しの良さは島特産のツバキ油を塗り込んであることが影響しているようです。

昔は生産量が少なく、島外はもちろん島内でも流通も少なかったので「まぼろしのうどん」とも呼ばれていた、とか。

島には、五島手延うどんを提供する飲食店もありますが、島人にとっては郷土料理の一つ。各家庭で調理し、食べられることが多いようです。

地獄のように見えるから地獄炊き?

気になる「地獄炊き」ですが、実は、ゆで上がったうどんを鍋ごと食卓まで運び、鍋の中からアツアツのうどんをすくって食べる方法を指しています。

トビウオ(あご)を使った「あごだし」か、生卵に醤油を垂らした「たまご醤油」につけて食べるのが島での主流。いわゆる「釜揚げうどん」をイメージしていただければ、分かりやすいでしょう。

恐ろしい響きのある名前の由来について、はっきりしたことは分からないものの、昔、初めて五島うどんを食べた旅人が「しごくおいしい!」と褒めたところ「地獄おいしい!」と聞こえたのがきっかけになったという説など、諸説あります。

個人的には、グツグツと煮立った鍋が地獄のように見えるから、と思っていましたが……。

遣唐使から伝わったかもしれないロマンを胸に

九州最西端に位置する五島列島は、かつて遣唐使の寄港地でした。

大陸の文化を日本にもたらした遣唐使ですが、五島手延うどんの原型となる手延べ麺も「遣唐使が伝えたのでは?」という説があります。

僕は「地獄炊き」を食べるとき、いつも遣唐使を思い出します。そして、遣唐使も、グツグツを煮えた鍋からうどんをすくって食べていたのかな、と思いをめぐらせます。

島といえば夏が観光シーズンですが、遣唐使に思いをはせながら冬の新上五島で食べるアツアツの「地獄炊き」も、また一興。

一度、試してみてはいかがでしょうか。

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