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かわいい!おいしい!屋久島の「ヤクシカ肉」。知られざる屋久島ジビエの誕生ストーリー

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屋久島のご当地グルメといえば、首折れサバやトビウオなどの海鮮料理が定番かつ人気ですが、最近、注目を浴びているのがヤクシカの肉を使った料理。屋久島では平成26年にジビエ料理として解禁となり、ヤクシカ料理が島内の飲食店や宿泊施設で提供されるようになりました。その背景にある知られざるストーリーを、地元ライターが掘り下げて紹介します。

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(取材・文 屋久島ライター 菊池淑廣)

ヤクシカは、かわいい? 憎たらしい?

屋久島では昔から「ヒト2万、シカ2万、サル2万」と表現されるほど、シカとサルの多い島です。昭和40年頃までは、屋久島の「ヒト」は2万人以上いましたが、現在では1万2千人程度と、ピーク時の半分くらいにまで減少しています。

一方、シカとサルの生息数は、それぞれ1万頭前後~2万頭前後という報告もありますが、正確には分かっていません。

いずれもニホンジカ、ニホンザルの亜種。ヤクシカ、ヤクシマザル(ヤクザル)と称され、観光客にとっては、ぜひとも観察したい「かわいい」野生動物たちですが、地元農家にとっては、農作物に被害をおよぼす「憎たらしい」害獣でもあります。

さらにヤクシカにおいては、その採食圧による植生被害や森林生態系への影響も懸念されており、里地を中心に捕獲・駆除されています。

屋久島ジビエの開拓者、「ヤクニク屋」の熱意

屋久島では最近まで、野生鳥獣の食肉処理施設がなかったため、ヤクシカの肉が流通することはなく、飲食店や宿泊施設などでヤクシカ料理が提供されることもありませんでした。

平成26年8月、屋久島初となる野生鳥獣の食肉処理施設「ヤクニク屋」がオープン。屋号の由来は、「屋久島の肉」という意味と、アジアやヨーロッパなどで「薬肉」として利用されていた背景を掛け合わせたものだそう。屋久島でも昔は妊婦の栄養食として利用されていたとか。

代表の牧瀬一郎さんは、上屋久猟友会の副会長も務める現役の猟師。

「昔は人とヤクシカがきちんと棲み分けていて、畑が荒らされることもなかった。林業の衰退と猟師の減少によってシカが里地まで下りてくるようになり、農作物の被害が出るようになったんじゃないかなぁ」と牧瀬さん。

「“害獣”というのは、そうなってしまった結果の表現であって、昔は島の恵みとして、ありがたくいただいていたんだよね」とは、まさしく猟師らしいお言葉。

シカをはじめとする鳥獣による被害は、屋久島に限った話ではなく、平成19年には「鳥獣被害防止特措法」が制定され、全国的に鳥獣捕獲が行われるようになりました。

屋久島でも行政主導で積極的にヤクシカが捕獲されるようになり、平成25年頃からは、年間約5,000頭が駆除されるようになったとのこと。しかし、猟師が自分たちで「いただく」にはあまりにも数が多く、「島の恵み」を埋設するのが心苦しかったと、牧瀬さん。

「山からいただいた命を余すことなく活用したい」という思いからヤクニク屋が生まれました。

「最初は誰かがやってくれればと思っていました。でも、野生動物が相手のビジネスは不安定だから、誰も手を出さなかったんです。結局僕がやることになっちゃったんだよね(笑)」(牧瀬さん)

ヤクニク屋では、一般の人もヤクシカの精肉を購入することができ、ペット用のジャーキーもお土産として販売されています。

「例えば内出血を起こしているなど、精肉として販売できない部位があるんです。これを廃棄するのも忍びないので、ペット用に有効利用できないかと考えて、商品化したんです」

なるほど、まさに「余すことなく活用したい」という牧瀬さんの熱意が詰まった商品と言えそうです。

<ヤクニク屋>
鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦421-34
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜
問い合わせ:0997-42-1129
ホームページ:http://yakunikuya.com/

屋久島で、ヤクシカ料理を!

僕たち島民もこれまでは、ヤクシカの肉を食べる機会はそれほど多くはなく、集落行事や特別な「飲んかた(飲み会)」のときなどに、地元猟師さんが振舞ってくれるヤクシカ肉をいただくことがある程度。仲間とわいわいやりながら、たたきやバーベキューなどでおいしくいただくのが、たまの楽しみのひとつでした(今もそうですが)。

ヤクニク屋がオープンするまで、観光でいらっしゃる皆さんがヤクシカ肉を口にできる機会はほぼありませんでしたが、現在は、野生鳥獣の食肉処理施設がもうひとつ増え、2業者に。今後、さらにヤクシカ料理を食べられる機会が増えそうです。

次回のブログ記事では、ヤクシカ料理がおいしくいただける、島内のおすすめ店を紹介します。どうぞお楽しみに。


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