屋久島でワーケーション的リモートワークの実際
2020.09.04 (FRI)
人気都市・福岡を訪れる人も、福岡に暮らす人も意外と知らないのが「福岡市は離島も近い」こと。福岡を楽しむみなさんにお届けしたい、福岡市内から直行できる屋久島の魅力を、島に暮らす地元ライターが紹介します。
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(取材・文 屋久島ライター 菊池淑廣)
そもそも離島では、リモートワークがスタンダードだった
全世界が新型コロナウイルスとの共存を模索する中、メリット・デメリットはそれぞれあリますが、日本でも「リモートワーク」や「オンライン授業」といった新たな働き方、学び方が急速に浸透しました。
しかし、よく考えてみると、そもそも離島では、以前からいろんな意味でリモートワークがデフォルトみたいなものでした。
それこそ「Re島ブログ」の業務もリモートワークが前提。編集長も各島のライターも在住地域はバラバラです。年に1~2回、福岡に集まることはあっても(今年度は新型コロナで集まれず……)、基本的には会議にしてもデータのやり取りにしても、業務はすべてオンラインで遂行されます。
ちなみに僕が屋久島へ移住した15年ほど前、屋久島のインターネット環境はアナログ回線でした(東京ではADSLが一般的な時代)。当時から僕は、写真や執筆の仕事をしていたため、出版社とのやり取りにはずいぶん苦労しました。
その後、屋久島にもADSLが開通しましたが、あっという間に時代の流れは光回線へ。写真にしても動画にしてもファイルサイズがどんどん大きくなり、クラウドやらオンライン会議やらがビジネスのスタンダードともなれば、再びストレスがつきまとうことに……。
そしてようやく今年(2020年)の5月から、屋久島にも光回線の導入がはじまりました。地域によって進捗に差があり、我が家はいまだにADSL回線(同8月現在)で、9月に光回線の工事が入る予定。もう少しの辛抱です。
通信環境では都会に敵わなくても、自然環境では圧倒的アドバンテージを誇る屋久島。そんな島における筆者の日常的なリモートワーキングスタイルを紹介します。
自宅で「ワーケーション」的お仕事
自宅には事務スペースがありますが、お気に入りの仕事場がほかにあります。我が家の裏庭(というよりは裏山)です。
南の島の夏は、日中は陽射しが強烈でかなりの暑さですが、朝晩は風が涼しくて快適です。早朝のこの時間帯を有効利用しない手はありません。
裏庭にテーブルとイスを運び出し、涼やかな風が吹き抜ける快適なワーキングスペースが、ものの3分で設置できます。仕事がはかどる時間は、日の出から庭に陽が射し込むまでの2~3時間といったところです。原稿執筆やデザイン業務など、集中力が必要な仕事をすることが多いですね。
我が家の裏庭は、弱いながらもリビングに設置したWi-Fiの電波が拾えるので、メールの送受信やネット閲覧なども可能。一般的な事務作業であれば特に支障なく行えます。
最近「働き方改革」の一環で、「ワーケーション(ワーク×バケーション)」というスタイルを政府が推奨する動きがありますが、僕たちが普段からやっている暮らしそのものがワーケーションみたいなものといえるでしょう。
オンライン会議などは、会社店舗のカフェで
島外の取引先とのオンライン会議などは、ひと足早く光回線が導入された僕の会社の店舗でもあるカフェでするようにしています。
昨今のコロナ禍の中、ある会社から依頼されて「オンライン写真講座」の講師をやらせていただいていますが、これこそ新たな仕事のスタイル。講座ではWeb会議アプリの定番ともいえるZoomを利用していて、我が家のADSL環境では声が途切れてしまったり、映像が止まってしまったりしますが、光回線なら安定感があって、安心して講義が進められます。
ADSL回線から光回線への移行段階にある屋久島では、もうしばらくは、仕事内容によって仕事場を変える(通信環境を選ぶ)必要がありそうです。
これぞ、究極のワーケーション!
普段はここまではしませんが、あえてやってみました!
川の水に足を浸して、涼みながらのお仕事!
我が家から車で10分くらいの場所に位置し、平らな一枚岩の表面を水がサーッと流れる、浅瀬の続く小さな川。森の中なので南国の強烈な陽射しが遮られ、夏も涼やか。テーブルとイスを置いて仕事をするには都合のいい場所です。実は以前から「こんなところで仕事したら気持ちいいだろうなぁ」とひそかに考えていたスポットです。
この日は晴れ続きだったこともあり、水量は少なめ。辛うじて水が流れている場所にワーキングスペースを設置し、早速メールチェック。Wi-Fiはありませんが、ケータイの電波は拾えます。テザリングでスマホと接続すれば、こんな自然の中でもできる仕事の幅は広がります。
屋久島でワーケーションのススメ
前述のとおり、今年(2020年)の春から屋久島でも光回線の導入が始まっています。島内のカフェやホテルなど、Wi-Fiが利用できるところはあるので、まさしく快適な「ワーケーション」が実現可能な環境が整いつつあります。
屋久島では、日常と近接するように非日常的な空間が至るところに広がっています。つまり、ケータイの電波がつながる自然の美しい場所が多くあり、良くも悪くも仕事ができる環境といえます。
長めの休みが取れたなら、パソコン持参で家族と一緒に、屋久島で最高のワーケーションを体験してみてはいかがでしょうか?
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