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島の魅力って「島らしいもの」だけ? 長崎・五島列島の新上五島町で島の魅力を考えてみる。

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島の魅力とは、いったい何でしょう。青い空、青い海、海の幸……。でも、それだけなのでしょうか? 今回は、島に移住して6年目を迎えた地元ライターが、新上五町を舞台に島の魅力についてあらためて考えてみました。

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「島らしさ」と島の魅力を考える

僕は、島で暮らしながら、フリーランスのライターをしています。いろいろな原稿を書きますが、やっぱり多いのが島の魅力をテーマにしたもの。

クライアントである雑誌やWebメディアなどの運営者からは、原稿のテーマに関していろいろな要望を頂きますが、要望に応えているうちに「果たして言われるままの原稿を書いていていいのかな」と考える機会が増えました。

今回は「島の魅力」について、あらためて考えてみました。

(取材・文 新上五島ライター 竹内章)

ためらいもなく書いていた「島らしい」原稿

「旅といえば、やっぱりグルメが大きな楽しみ。島旅であれば、魚介などの島グルメについて知りたい人が多いと思うので、そのあたりの『島らしい』原稿を書いていただけますか?」。

僕は、移住先である長崎県の離島・新上五島町でフリーランスのライターとして働いていますが、県外のメディア運営者から、こんな風に仕事の依頼を受ける機会がたくさんありました。

そうですね、じゃあ次はビーチなど海に絡めた話で、といった風に提案することも多く、同じような切り口の原稿を書くことが多かったです。

当初は、何の疑問も抱かずに「島らしい」原稿を書いていましたが、次第に、考え込むことが多くなりました。

そもそも「島らしさ」って何だろう

メディア運営者がよく口にした「島らしい」という言葉。そもそも「島らしさ」って、何でしょうか?

簡単ですよね。誰もが思い浮かべるような島のイメージに合致する類のものです。それは、真っ青な海だったり、真白なビーチだったり、とれたての新鮮な魚介類だったり。

僕も「島らしさ」と言えば、ずっとそのようなものだけだと思っていました。そして、これぞ島の魅力だと言わんばかりに、その一般的なイメージに沿った原稿をせっせと書いてきました。

でも、あれ、これでいいのかな、と思うようになります。

島を代表する特産物ではあるけれど

きっかけは「五島うどん」の原稿を書いた時でした。

五島うどんとは、ほっそりとした姿が特徴の新上五島町の特産品。大陸からさまざまな文化を日本に持ち込んだ遣唐使が、うどんの原型となる手延べ麺を五島地域に伝えたのでは――との説もあることから、島を代表する特産品と位置付けられています。

ところが、この原稿を書くとき「うどんは『島らしく』ないのでは」という感情がわき起こりました。

島の特産品といえばうどん、と思う人は、まずいないでしょう。魚介などを違い、島のイメージとは合致しないからです。

はたして、このまま原稿を書いてもいいのだろうか、という気持になりました。

旅人を魅了するのは「そこにしかないもの」

あれこれ考えているうちに、そもそも観光の目的って何だろう、と原点に立ち返ることにしました。

観光の目的はいろいろあるでしょうが、基本的には「その場所にしかない魅力」を楽しむことでは……。

そう考えると、一気に視界が開けた気がしました。

五島うどんは、一般的な「島らしい」ものではないかもしれないけれど、遣唐使が持ち込んだのではというワクワクするようなストーリーあったり、島の食卓を長年支えてきた伝統ある食文化といった側面があったりと、間違いなく新上五島町の個性を味わうことができる逸品。新上五島町だからこそ深く味わえる魅力と言えます。

ステレオタイプではない魅力が生まれ、育てば 

新上五島町には、いわゆる「島らしい」というカテゴリーには当てはまらないけれど、五島うどんのように魅力的な「個性」がたくさんあります。それは、自然や食べ物、島で暮らす人であったりします。

そして、これからも「島らしい」というステレオタイプな表現に縛られない新しい個性がたくさん生まれて、そして育っていくこともあるでしょう。その新しい個性が、いずれ島の新しいスタンダードになり、島の魅力をより高めていくかもしれません。

観光客の方には、ぜひ海や魚だけではない、新上五島町の魅力を確かめに来ていただきたいと思います。

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