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対馬のソウルスイーツ「かすまき」。対馬の人たちの想いと歴史が詰まった甘い味。

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福岡空港からわずか35分で渡島できる対馬。対馬には、江戸時代から作られているお菓子があります。シンプルだけど味わい深い「かすまき」をご紹介します。

(取材・文 対馬ライター 佐々木 達也)

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起源は江戸時代、お殿様への献上品から始まった「かすまき」。対馬の人たちの記憶に刻まれた甘いお菓子の物語

程よく焼いたカステラ生地に、あんこをたっぷりと入れて巻くお菓子「かすまき」は、対馬を代表するスイーツです。

初めてかすまきを目にする人には、その圧倒的な存在感に驚きます。

1本の長さは約10センチ、重量は約400gと、現代の私たちがお土産として買うお菓子の数倍の大きさを誇る対馬のかすまき。

 

島外出身の私は、初めて見た時「これは何人かで切り分けて食べるものだ」と思っていました。

しかし、多くの対馬の人たちにとっては1本が一人前だと教えられ、とても驚いたことを覚えています。

 

 

かすまきは、江戸時代に参勤交代から帰国した藩主を迎える為に、当時ぜいたく品だったあんこをたっぷり使い、家中一同で喜びを分かち合うために考案され、お殿様に献上されたと伝えられています。

かすまきは漢字にすると「加壽萬喜」、由来を裏付けるようにめでたい言葉が並ぶネーミングです。

 

 

明治以降は庶民も食べられるようになり、対馬各地のお菓子屋さんで作られるようになりました。

現在でも10軒ほどのお菓子屋さんが作り続けています。お店によって餡の練り具合や甘さ、生地の具合などに違いがあり、対馬の人たちは、自分好みの味を持つお店をひいきにしています。

 

お土産にしたいお菓子を目指して。紙袋にもこだわるお菓子屋さん

 

かすまきを取り扱うお菓子屋さんの中で、明治時代から作り続けている渡辺菓子舗さんは、お殿様に献上していたかすまきの味を今に伝えることをモットーに、かすまきを作り続けています。

黒と白の2種類の自家製餡を使い、軽い口当たりに仕上げた生地で巻くかすまきは、昔ながらのレシピを崩さない程度に、現代人の好みに合わせながら120年の伝統を守っています。

 

 

渡辺菓子舗さんは、かすまきだけでなく、紙袋にもこだわりを持っています。

 

 

今でもかすまきは、大切な方へのお土産として大切にされています。しかし、重いかすまきは、色々なお土産が出回る現代においては不利になることも。

かすまきをお土産として、どうしたら島の外に持って行ってもらえるか

そこで目を点けたのが紙袋のデザインでした。20年ほど前から使われている市松模様の紙袋は、「博多駅前の大通りをこの紙袋を持って歩きたい』と思ってもらえるようと試行錯誤しながら生まれました。

この紙袋に美味しいかすまきを入れて、大切な方に届けてほしいという、店主の想いが詰まっています。

 

そんな想いも通じてか、対馬の人たちは、この紙袋を大切にとっておいて、生活の色々な場面で大切に使っています。

さらに今、日本中で社会現象を巻き起こしている漫画の主人公の羽織の柄と同じことから、子どもたちにも大人気といううれしい効果も。

 

対馬の人たちの想いが詰まった甘いかすまき。あなたはどこの味がお好みか、かすまき食べ比べツアーに出かけてみてはいかがでしょう。

 


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