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コロナ禍で注目の地方移住!? 屋久島移住の傾向と対策(後編)

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屋久島移住についての前回の記事では、僕が移住してきた17年前と現在における移住事情の「格差」について、自身の体験も交えながら紹介しました。人口減少が進む屋久島町では、かつてないほど手厚い移住支援事業に取り組んでいます。屋久島への移住を考えている人には、まさに今が絶好のチャンス!? 知らないと後悔する情報をもれなく整理して紹介します。

(取材・文 屋久島ライター 菊池淑廣)

屋久島への移住者、増えているの? 減っているの?

前回の記事でも触れましたが、屋久島町の人口は、僕が移住してきた2005年から2020年までの15年間で約14パーセント、2015年から2020年までの5年間では約8パーセント減少しています。

 

人口減少の要因はいくつかあると思いますが、一般的に屋久島をはじめとする離島では、どうしても若い世代が高校や大学などへの進学や就職をきっかけに、島を出ていく傾向にあります。かくいう僕の娘と息子も、高校卒業とともに島を離れ、現在は東京で大学生生活を送っています。

 

離島の中でも屋久島は、比較的移住者の多い地域ではないかと考えられますが、ひょっとすると以前よりも移住者の数は減っていて、屋久島全体の人口を押し下げている可能性もありそうです。その辺りの事情についても、引き続き、屋久島町観光まちづくり課・地域振興係、移住相談窓口担当者の田口剛(たけし)さんに聞いてみました。

「令和2年度の屋久島町への転入者数は約600人で、転勤などを除く移住者数は236人でした」と田口さん。

 

「細かく数字を拾っていらっしゃるんですね。ちなみに、ここ10年くらいの移住者数の推移は、どんな感じなんですか?」と尋ねてみると……

 

「実は、移住者の数を把握しようと調査を始めたのは、2020年からなんです。それ以前はカウントしていなかったので、移住者が増えたのか減ったのか、正直なところ分かりません……」とのこと。

 

年間の移住者数が236人というと、わりと多い印象ですが、少子高齢化などによる「自然減」や企業の減少などによる「社会減」の割合が大きく、屋久島全体の人口減少につながっているのだろうと田口さんはおっしゃいます。

手厚すぎる! 屋久島町の移住支援事業

いずれにしても、屋久島町では人口減少をできるだけ抑制するため、積極的に移住者を増やそうと様々な支援事業を展開しています。

 

「5年ほど前から取り組んでいる事業のひとつとして、暮らし体験住宅というものがあります。移住を希望している人に、屋久島での暮らしがどんなものなのか、実際に体験してもらおうというものです」と田口さん。

 

この制度は、3カ月以上居住することを前提に、最長で1年間、月額1万円の家賃で居住できるというもの。限定4棟ですが、これだけでも移住のハードルは下がります。考え方によっては、次の住居探しの拠点が1年間も確保できるわけです。

(参考)屋久島町ホームページ/暮らし体験住宅

http://www.town.yakushima.kagoshima.jp/settle/taikenjyutaku/

 

「民間の住宅を借りた場合も、最長で2年間、家賃の2分の1(上限1万円)を補助する制度や、仲介手数料や礼金などの初期費用の2分の1(上限5万円)、さらには引っ越し費用の2分の1(上限20万円)の補助もあります」とのこと。

 

なんと手厚い支援なのでしょう!

 

17年前にあったら嬉しい制度ばかりですが、これらは令和2年度に始まったばかりの補助事業だそうです。特に離島への引っ越し費用は、どうしても高額になりがち。その費用の半分、しかも最大で20万円も補助してくれるのは、ありがたい限りです。欲を言えば、家賃の補助については、もう少し予算をかけてもらえたら嬉しいですね……。

 

さらに、移住者を対象にした住宅取得等にかかる費用の10分の1(新築の場合は上限250万円、中古物件購入の場合は上限100万円!)が補助される制度が令和3年度に創設されたとのこと。

 

屋久島への移住を考えている人にとっては、今がチャンスかもしれませんよ。

 

(参考)屋久島町ホームページ/移住促進家賃等補助制度

http://www.town.yakushima.kagoshima.jp/settle/ijyuyachinhozyo/

 

(参考)屋久島町ホームページ/移住者住宅取得事業等補助事業

http://www.town.yakushima.kagoshima.jp/settle/jyutakusyutokuhozyo/

 

さらにさらに、鹿児島県の移住支援事業もあるそうです。東京23区在住者(または通勤者)限定ですが、屋久島町など鹿児島県内へ移住し、就職または起業した場合に、最大100万円の移住支援金が支給されるというもの。いくつか要件はあるものの、これは要チェックです!

何度も言いますが、僕が移住してきた17年前とは雲泥の差。当時にこれほどの支援事業があれば、我が家の家計は、かなり助かったはずです……。

 

(参考)鹿児島県ホームページ/移住支援金制度

https://www.pref.kagoshima.jp/af04/izyusien.html

移住成功のカギは、田舎の暮らしを受け入れて楽しむこと

「移住して来たものの、田舎暮らしに馴染めずに帰ってしまう人も少なくありません……」とも、田口さんはおっしゃいます。

 

これは昔も今も変わらない事象のようですが、「馴染めない」主な要因として、「人間関係や近所付き合いの濃さ」が挙げられます。この点においては、当然ながら都市部と田舎では大きなギャップがあります。どっちがいいとか悪いとかではなく、いずれもポジティブな面とネガティブな面が存在していて、それを本人がどう解釈するかなのだと思います。

 

つまり、このギャップを埋めるには、自己の意識改革が必要だということです。と言っても難しく考える必要はありません。郷に入っては郷に従えと言うように、田舎での暮らしを受け入れて積極的に楽しむことです。

例えば、地域で定期的に行われる草刈りなどの奉仕作業は、生活していく上で重要な共同作業です。地域の一員として、奉仕作業はもちろん、集落行事などにも積極的に参加したいですね。そうすることで、地域の人と仲良くなれるし、その土地に馴染むきっかけにもなります。

 

田舎では僕たちのような「よそ者」でも、仲良くなれば家族のように温かく接してくれます。それこそが田舎暮らしの醍醐味でもあり、むしろ都会では失われつつある、人間味あふれる暮らしの本質なのだろうと思うのです。縁もゆかりもない、頼る親戚もいない土地で暮らしていく中で、いざという時に助けてくれるのは、地域の人たちです。

 

田舎暮らしにおいては、仕事面などでは「オンライン」をうまく活用しつつも、こうした「オフライン」でのリアルな暮らしも大事なのです。

今や、お試し移住ができる時代!

昨今の「地方移住ブーム」で注目されている地域というのは、おそらく都市部からそれほど遠く離れていないか、あるいは離れていても都市部にアクセスしやすい、比較的「利便性の高い田舎」なのではないかと思います。

 

それに対して屋久島は、離島という地理的条件においても、利便性という点においても、敬遠されてしまう環境かもしれません。しかしながら、海も山も川も、そのすべてにおいてクオリティの高い自然が日常のすぐ隣に広がっています。オンライン中心の仕事場からすぐにリフレッシュできる環境へ移動できます。山へ行けば携帯電話もつながりませんので、すぐに「デジタルデトックス」をすることも可能です(笑)

オンラインもオフラインも、仕事も暮らしも、いいバランスで生活できる環境が屋久島にはあると、僕は思っています。

 

行政の支援事業を最大限に活用すれば、間違いなく17年前に比べて移住しやすいはずです。とはいえ地方移住となれば、人生の一大イベントでもあり、様々な不安もあるでしょう。暮らし体験住宅制度などをうまく利用して、まずは「お試し移住」をしてみるのもアリかもしれません。具体的に屋久島への移住を考えている、あるいは興味があるという人は、一度相談されてみてはいかがでしょうか?

 

あ、何なら僕が書いた本も、時代は変わっても、多少は参考になるかもしれません(笑)

 

◆屋久島町移住相談窓口:屋久島町観光まちづくり課 地域振興係 0997-43-5900

 

※記事で紹介した移住に関する各支援事業は、2022年1月現在のものです。